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marantz-7 修理例(フロービス)


今回 マランツ7が入手できた為、点検修理をして見ます。 
以前から聞く機会は多々あり(マッキン、マランツは数多く修理してきた為) 
特に新鮮な気分にはなれませんが、気付いた箇所を載せてみました。

1、電源部のブロックコンデンサーのチェック。 
  抵抗類を外して容量チェック。今回はヒーター用が容量抜け及び液漏れの為、交換。
2、ヒーター用セレンのチェック。 
  定格入力117Vを使用してヒーター送り電圧が規定値(18.9V)に出ているか確認する。
  セレンの劣化で余りに低い場合は交換が必要。(シリコンブリッジでも良いと思います)
3、各所電圧のチェック。 
  特にカソード電圧を注意して計る事で、カップリングコンデンサーのリークが判ります。
  (コンデンサーにリークがあると、グリッド電圧が上がりカソード電圧も上がる) 
◎ 今回はカップリングコンデンサー4個、カソードのバイパスコンデンサー(チューブラ型電解)4個交換 
  カップリングは3個不良の為、残念ながら手持ちのブラックビューティ-4個に交換 
  尚 絶縁測定で良品は500MΩ以上ありますが、オリジナルに拘っても
  100MΩ以下は使用しない方が良い。
  チューブラ型電解コンデンサーは1個容量抜けの為、4個共スプラグに交換。 

◎動作特性  
イコライザー特性を計るとRIAAカーブがずれていました。 
イコライザー素子の0.0056uFの容量オーバーが原因 (殆どのアンプがなっている)
今回 ブラックビューティ-が手持ちに無かった為、オレンジドロップに取りあえず交換 
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◎入出力ジャックのアース連結 
リベットによりシャーシとアース接続していますが、意外と接触不良が多く、
0.7mmのメッキ線でジャンパー接続。 
モノラルアンプを接続した場合など、プラグを触るとアースが浮く為、大きなノイズが入ります。
(ステレオアンプの場合、片方のアースが浮いても判りにくい) 
※今回は自身のアンプの為、ジャンパーしましたが、依頼の場合は了解時のみ実施します。 

☆修理方法 
1、ハンダ取り用編組ワイヤーでハンダを取った後、不良パーツのリード足の巻き付けを注意しながら外す。 
2、イコライザーの0.0056uFはセレクターのロータリースイッチに付いていて 
  巻き付けが外せない場合、無理をせずリード足を切って取り外し、取付けは巻き付けず、ハンダ盛りでOK。
  片方は丁度裏側に付いていて、これがなかなか厄介です。裏側からも出来そうですが 
  私はまずパネルを外し、ロータリースイッチを外して回転させ交換しました。 
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☆追記  
 ビンテージアンプの修理については、色々な人の考え方がありました。 
1、部品はオリジナルのままで、交換はしないで欲しい。違った物に変えると音が変わる為。 
  ★オリジナルの音とは???  
2、オーバーホールの依頼で、今後悪くなる様な部品は全て交換して欲しい。 
  ★せっかく現在生きている部品も交換するのであれば、新しい別のアンプを買った方が良いかも? 
3、球はどこそこの何々以外は駄目 
  ★腐っても鯛? プリ管は使いすぎて劣化しても音は出ますが・・・ 
◎ オーディオは個人の趣味の為、色々な考えがあって良いのですが、ある一部分 
  (アンプの場合はパーツや球)だけに拘らず、音の入り口から出口、部屋を含めた総合的 
  に考えた方が良いと思います。(部品を色々取っ替えて音がどう変わったと言うより、 
  スピーカーの位置又は試聴位置を30cm移動した方の変化が大きいと思います。) 

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