出力管の電流測定ソケットアダプター製作例(フロービス)
☆ 市販のアンプでバイアス調整をする場合、カソードに測定用抵抗が付いていれば簡単ですが
殆んどのアンプには付いていません。OPTの抵抗を測りその電圧降下で電流を割り出す場合など
高圧で危険な事とトランスの巻き線抵抗がP1側とP2側が異なり不便です。
今回は簡単で安全な電流測定アダプターを作りました。
☆ 測定可能な真空管 : 6L6GC、KT88、6CA7、5881、6V6GTなど
(今回は代表的な真空管に絞りました。)
☆ 部品、材料
1、TUBE BASE US用
2、US スナップイン型ソケット
3、ダイオード 1N4007
4、メッキ線 0.7~0.8mm
5、リード線、ワニグチクリップ
6、ボンド(エポキシ)
7、セロテープ
8、45ΦDC100mA
☆ 回路図
最初は1Ω位の抵抗を入れる予定でしたが、抵抗が大きくてTUBE BASE内に収まらず
ダイオードに変更しました。
ダイオードはメーター回路のオープン時、カソード電圧上昇を保護する目的です。
又 測定用の電流計は内部抵抗の小さな物を選んでください。内部抵抗が大きい場合、
ダイオードの順方向電圧 0.6Vを超えると メーターの指示が不正確になります。
当店販売の丸メーターは5Ω以下で問題ありません。
☆ 製作方法
1、TUBE BASE US用 にリード線取出し用の穴あけ2箇所(3.3mm位)
(バイスに挟んでドリルで空ける。割れない様に!)
2、US スナップイン型ソケットの8Pinにダイオードを取付ける。
(内部が狭いのでソケットの端子を外側に曲げてダイオードを短く取り付ける。)
3、
リード線のハンダ付け。
(ソケットの端子とダイオードの根元に巻き付けハンダ付け)
4、順番にメッキ線をTUBE BASE側から通して
ソケットにハンダ付け
(TUBE BASEのピン番号とソケットのピン番号は合わす事)
5、ダイオードの足をTUBE BASEの8ピンへ挿入してゆっくり全体をはめる。
6、
5mm位残してボンド付けて最後まで確実に差し込む。
(TUBE BASE側にはセロテープを張っておくと余分なボンドがBASEに付かず後が楽です。)
7、TUBE BASEとメッキ線のハンダ付け。
(メッキ線を切る前に
一度ハンダを付けてカットしてから
再度ハンダ仕上げ。
外側にハンダが流れたらBASEを上下反対にしてコテで溶かすと直ります。
8、導通テストと絶縁テスト。
(テスターでソケット側とBASEのピンが繋がっているか導通確認する。
又 両サイドの端子にショートしていないか確認する。
☆ 動作確認
メーターにワニ口クリップを挟む。(プラス側に赤、マイナス側に黒)
実際に装着して
テスト。
☆ 備考
アンプのバイアス調整により
1、バイアス調整無し : 電流値チェック良好
2、個々にバイアス用調整ボリュームが付いている:時間はかかるが1本ずつ2度3度調整すれば可能。
3、DCバランス調整が付いている:もう1台製作して同時にチェックするのがベスト。
◎ 電流チェックは1台で十分ですが、、
バランス調整には2台必要です。
1台の部品代は約¥2000です。
又 リード線が真空管に触れないよう注意(熱で焼けます)
◎ 個々の使用目的により変更改良してください。
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