21KQ6 OTLアンプ製作例(フロービス)
☆ 回路構成
出力管はTV水平出力用ビーム4極管の21KQ6(6GB5の改良型)で、肩電圧が比較的低いのと、
現時点では安価な為。 21KQ6の3結や5結及びUL動作で調整しました。
12BH7の位相反転段をかさ上げから打消し帰還へ変更。
電流計のRmiは680Ωに変更し、読み値*10倍にしました。
パラ止め用の抵抗+コイルを各真空管に取付け予定でしたが、体裁が悪くなった為変更(1個で4本に供給)
47Ω2Wの抵抗に約10ターン巻き収縮チューブで絶縁した物(1個での効果は不明ですが現在まで異常なし)
*前段部の配置が前回の6AS7や6C33と異なっています。(12BH7へ変更の為、要注意)
◎21KQ6 Triode(3結)
☆ 回路図
アンプ部
電源部
☆ 調整方法は前回6AS7と同様
アイドリング電流は約300mA(1本あたり75mAでプレート入力145V×0.075A=10.8W)
帰還打消し回路の調整抵抗Rutの680Ωは無負荷時に調整する方が判りやすい。
尚 Rutやハム打消し用Rhc56K及び前段の電圧調整用Rv150Kは調整が必要な場合があります。
又 コンデンサー(1uF以下)の値は位相補正等に作用する為、変更しない事。
☆ 測定
発振器は0.1Hzから出せる物を用意(1Hzからでも可)、10Hz以下はAC電圧計では測定出来ない為
オシロでDCレンジに切替て確認する。また無負荷時も確認する。
◎ 特性
Excelデーター
21KQ6が3結でSG電圧が145Vと低かった為、大きな電流が取り出せず出力も約20W止まりです。
◎21KQ6 Pentode(5結)
☆ 回路構成
21KQ6のSG電源に付いて
85V巻線から倍電圧整流して210Vを4回路取り出しそれぞれに給電。
バイアス用の電源は別置すれば簡単ですが、小型トランスの取り付けスペースが無く
少し複雑ですが、半波倍電圧から-230Vを取り出しツェナーダイオードで安定化。
尚 上段のバイアスはツェナーダイオードを使用しません。
安定化すると5極管の特性から、バイアス調整時シーソー状態になり上手く定まりません。
上段の電流値が増えるとバイアスが深くなり、オートバイアスのように制動され調整が楽です。
☆ 回路図
アンプ部
電源部
◎ 特性
Excelデーター
TV偏向管の特性上 SG電圧を上げるとプレート電圧が低くてもプレート電流は相当流れます。
アイドリング時 プレート電流は約300mA
(1本あたり75mAでプレート入力115V×0.075A=8.6W)プレート損失17W、
スクリーン電流は約40mA
(1本あたり10mAでスクリーン入力210V×0.01A=2.1W)スクリーン損失6W
◎21KQ6 UL
☆ 回路構成
21KQ6のSG電源を各プレートに接続して5結と3結の中間(UL)位の動作。
SG電圧はプレート電圧(アイドリング時)115V+SG用電源電圧100V=215V
バイアス用電源は別電源のスペースが無く、5結の方式で上段にもツェナーダイオードで安定化。
☆ 回路図
アンプ部
電源部
◎ 特性
Excelデーター
3結と5結の中間(UL)特性です。SG電圧を上げた分、出力も40W位出ています。
OTLの場合ピーク時の電流が如何程流せるかで出力が決まります。
プレート電圧が低くて電流が多く流せる球が損失が少なくパワーが出せます。
トランジスターであれば±30Vあれば50Wは出ます。
電源電圧が可変できればプレート電圧とSG電圧を変化し、一番良い動作を見つけるのも面白いと思います。
100Hzの歪率が高いのは、電源部のハムの影響と思われ、
スペースに余裕があれば2000uF位追加すれば良い。
☆ 写真
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