6AS7 OTLアンプ製作例(フロービス)
☆ 回路構成
◎出力部
球は6AS7で同等管として6AS7G、6080、6H13C等がありますが、
サブシャーシの都合で6AS7GAに決めました。
この手の球は複合管の為、管内のペアーが取れず選別が必要です。
選別方法は2本(4ユニット)で200mAにバイアスを合わせ各ユニットの電流を測定する
(3.3Ωにかかる電圧値)。
ユニットあたり40mA~60mAに収まる球をペアーにする。
無理な場合はもう少し幅を広げて35mA~65mA位。
★50mAの場合は3.3Ωの電圧は50mA*3.3Ω=165mV、
40mA~60mAは132mV~198mV。
◎前段
初段目 EF86/6267 位相反転 5687にして高さを合わせました。
打消し回路は、大きいドライブ電圧が必要な為、かさ上げ方法に決めました。
◎電源部
電源トランスは特注品で色々実験する為、ヒーター用は別トランスにしました。
またヒータ-切替スイッチは、出力の変化など実験用です。
後からの変更で、トランスの容量等が大きい為、突入電流(ラッシュカレント)
防止用の抵抗とリレーによる 遅延動作を追加しました。 遅延時間は感覚的に0.3秒位です。
Rac の5Ω10Wは セメント抵抗10Ω5W(温度ヒューズ入り)を並列接続。
(セメント抵抗10Ω10Wを並列にし、温度ヒューズ100℃位を抱かせても可、
尚 温度ヒューズはリレーが動作しなかった場合の保護)
Rac変更写真
又 リレー用のDC24Vを利用してヒーターバイアスを掛けています。
(5687のヒーターカソード間電圧が+100Vの為)
☆ 回路図
アンプ部
電源部
☆ 写真
裏側1
裏側2
基板型ボード(半分はスナップイン型ケミコン取付、半分はタレット取付け)
☆ 調整
1、ヒータートランス用のヒューズを入れ、メイントランスのヒューズを外して電源ON。
各真空管のヒーター点灯確認。遅延リレーを取付けた場合はスイッチON直後に動作する事を確認。
2、6AS7を全て抜き取り、メイントランス用のヒューズを入れ電源ON。各所電圧確認。
EF86のプレート電圧が10V以上異なる場合は※Rv150Kを調整する。
異常が無ければバイアス用ボリュームを回し切り
(Xと-C1及び Yと-C2の電圧が-80V以上)にセットする。
3、6AS7を片CHのみ挿し電源ON。電流測定用の1Ωの両端にテスターの電圧測定を取付て、
バイアスのVR上下2箇所を少しづづ回し 200mVに合わせる。この時の電流は200mA。
メータースイッチをIP調整側に合わせメーター値が約40を確認。(表示値の5倍が実測値)
次にメーター切替スイッチをバランス側に切替て0になる様にバイアスを調整、
再度IP調整側に戻し調整を繰り返す。
同じ様に他chも実施。 球の選別は、それぞれのプレート抵抗3.3Ωの両端の電圧を読み実施する。
4、ハムが多ければハムキャンセル用の抵抗※Rhc100KΩを調整する。
(これは整流回路のリップルによるハムキャンセル)
5、以上 調整が終われば音出しです。最初は安全の為、スピーカースイッチをOFFで電源スイッチを入れ
2-3分後 IP及びバランスを確認してスピーカースイッチをONにする。
☆ 備考
調整も慣れれば簡単ですし一度合わせば殆ど調整しなくてOKです。
スピーカーの保護として、各CH別電源にし、コンデンサーで浮かし、
トラブルも考えてヒューズでの保護もしています。
負帰還は約20dB、残留ノイズも0.5mV位で問題なし。
今回は配置上 初段目が左右離れている為、アースと入力の配線に注意が必要です。
◎ 特性
Excelデーター
◎ 1/2特性(ヒータースイッチ切り)
Excelデーター
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